今年の研修会は豊かな海と森に囲まれた美しい志摩に足を伸ばし、そこで地域起こしやアートやクラフトなどの活動をされている方々と交流するという、大変興味深く且つ有意義なイベントでした。
・・・草木染工房「遊」・・・
林田ご夫妻は、ご主人の定年退職の後10年前ここに移られました。ご主人は元々半導体の仕事をしていたとのことですが、作品のデザインは洗練されていてオリジナリティがあります。また、竹筒を染めた花入れはとても独創的で、異分野を経て染色の道に入った人ならではの発想を感じました。
工房の裏庭では日本ミツバチを飼育されていて、自然の中のライフスタイルをとても愉しんでおられます。
・・・「アトリエ・エレマン・プレザン」・・・
画家の佐藤ご夫妻は、ダウン症の子供たちに絵を教えることで彼らの素質を伸ばし、それを社会へと繋げる活動をされています。ギャラリーに展示された子供たちの絵には活き活きとした迫力があり、その感性の鋭さに心を動かされました。また、つい数日前から販売が始まったというワンピースは、ダウン症の晴子さんが丹念に書いた文字、「がんばってね」、「よろしくね」、「ありがとう」などがあしらわれていて、とても魅力的なデザインでした。
子供たちの作品は世界各国の美術館で取り上げられ、国内でも韮崎大村美術館を始めとして各地で展覧会が開かれているそうです。
今回の研修は、その他にも古民家と竹林の見学、真珠の取り出し体験、海女さんのお店「磯人」でのおいしい食事(ここで総会を行いました)、アコヤ貝の加工体験、さらには志摩市の若くて熱い副市長さんとお話する機会もあったりで、楽しいことが盛りだくさんでした。
今回私たちを案内をしてくれたのは「志摩クリエーターズオフィス」と「ヌゼモン志摩」の方々です。志摩の素晴らしい自然環境の中で暮らしている漁業、民宿、クラフト、アートなど様々な職業の方々が地域の活性化を目指して連携し活動をされている様子が印象的であり、大変良い刺激をいただきました。
2016.06.08
春日井市の「茶楽家 われもこう」でゴールデンウイークの間に舟橋ご夫妻の展覧会が開催されました。
長年プロダクトデザインに関わっておられるご主人は、木の特質を活かしたクラフト
作品も数多く手がけていらっしゃいます。手の込んだものは木工所に加工を依頼されますが、糸鋸で加工できる作品はご自分で作られるとのこと。この糸鋸で切っただけの作品が立体的になったりして、そこにデザイナーとしての発想とセンスの豊かさを感じます。
奥様の着物周りの品々からは、和の深い味わいを感じます。自然の様々な素材の個々の特質を活かしながら日本伝統の技や意匠を通して作られる和装には、日本独特の色であったり肌触りや着心地の美しさがあると感じました。自分自身が普段和服と接する機会がほとんど無いだけに新鮮に感じました。
(本多)
2016.05.09
昨日は、110人を越える方々にお集まりいただいて、とても賑やかな20周年記念のレセプションとなりました。
クラフトデザイナー中部をここまで支えて下さった関係者の方々へ、栄木代表から感謝のご挨拶。
三線の演奏をバックにみんなで沖縄のカチャーシーを踊って盛り上がりました。
日本クラフトデザイン協会の岡本様からのお祝いの言葉。
CDで作った名札には全会員の作品画像を入れました。
料理はすべて女性会員の手作り。これもクラフトデザイナーの力作です。
2016.04.24
2016.04.22
毎日新聞文化面に載った、工芸評論家戸舘和子氏の記事が面白い。ぐい飲みの値段の背景にある、陶磁デザイナーの仕事のお話。
http://mainichi.jp/articles/20160326/ddm/014/070/018000c
2016.04.09
昨夜、栄木代表の作品集出版を、ごく内輪で集まってお祝いしました。
独自の感性で世界の陶磁器デザインをリードしてこられた栄木氏の業績の
素晴らしさを改めて感じます。今月は、当会の20周年記念展覧会も予定
しており、めでたいこと続きとなります。
2016.04.01
私たちの代表の栄木正敏さんが本を出版されました。
この本には、栄木さんが陶磁器デザインの道に入った1966年から現在までの半世紀に渡る作品と仕事ぶりが詳しく紹介されています。この50年の間に陶磁器の世界が移り変わる中での栄木さんの体験、デザインに対する姿勢、さらには取り組んできた様々な技法などについてご自身が語っていると同時に、日本の近代陶磁器の歴史における栄木さんの仕事の位置付けについてを美術評論家、国立近代美術館の主任研究員、美術ジャーナリストといった方々が寄稿されていて、とても多面的な内容となっています。
伊藤豊嗣氏による美しいブックデザインも相まって、陶磁器デザインの面白さと豊かさが感じられる本です。
発行所:風媒社 199ページ 3,500円(税別)
尚、この本はジュンク堂、丸善、三省堂などで取り扱っています。
2016.02.21
ガラス作家の中井さんの工房兼お店である「ナカイガラス制作所」に行ってきました。名称がよくある製作所ではなくて制作所というのは、ガラス作家として作品を制作する場所だという意味。少しひねってあるところが良いです。場所は瀬戸市の中心にある銀座通り商店街の中。
中井さんは、板ガラスを平面上で組み合わせたものを電気炉で焼いて溶かし合わせるフュージングという技法を主に使っています。中井さんの説明によると、重ね合わせた様々な色の板ガラス焼くときれいに一体になり、また粒々状のガラスを焼くと細かな気泡が封じ込められたガラスになるそうで、なかなか面白そうです。焼く時に棚板に接している方の面はスリガラスのようにマットになるのでそれを表に使ったり、平らなガラスを型の上に乗せて焼けば立体的な形もできる等々、色々と制作のイロハを教えてもらいました。
この店では、このフュージングの制作体験をやっています。瀬戸で焼き物を見に来たついでに手軽にガラスのプレートやペンダント作りを楽しむことができるというわけです。
中井さんはガラスを始めて10年になり、瀬戸に来たのは5年前。この商店街に空きを見つけてここに工房をかまえました。焼き物の街瀬戸は観光で訪れる人が多い割にはこうした空きになった店を安く借りれるので、クラフト作家にとっては暮らし易い環境だと言えます。この辺りは陶芸家はもちろんのことガラス作家も多いところです。ちなみに、中井さんの店の筋向いは3DCGを制作するお店で、昔ながらの商店街も時代と共に様変わりしてきているのを感じます。
中井さんの作品には、色と構成の妙に魅力を感じます。今年の日本クラフト展で入選されました。今はより立体的なものにも取り組んでいるとのことで、これからの作品が楽しみです。
******** ナカイガラス制作所 *********
瀬戸市朝日町27 名鉄瀬戸線「尾張瀬戸」駅より東に徒歩7分
営業時間:金・土・日・月 10:00~18:00
2016.01.27
クラフト全般を話題として取り上げる「CRAFTER」という雑誌を紹介します。副題に「生業としての手仕事を考える」とあり、これがこの雑誌の何たるかを全て物語っているのですが、クラフトに関わる者にとっては色々と参考になる本だと思います。
クラフトの作り手、売り手、使い手などクラフトを取り巻く様々な人たちの考えや実情が深く紹介されていて、普通そう簡単に知ることのできない情報ばかりです。例えば、最新のVol.3では「クラフトの流通を考える」と題して、ギャラリーのオーナー、クラフトフェアの主催者、生活道具店の店主らの話や、クラフト作家達がそうした流通とどのように関わっているかなど、多面的な内容の記事が載っています。
クラフトという特別な枠の中での貴重な専門誌だと思います。
年2回刊 B5版・オールカラー 税別900円
https://www.iichi.com/listing/item/616370
2016.01.10