クラフトデザイナー中部


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私たちクラフトデザイナー中部代表の栄木正敏さんが亡くなられました。2月27日お昼にテニスを楽しまれている際中に倒れ、そのままでした。まだ75歳、いつもお元気でしたので本当に驚きました。3月3日、瀬戸のご自宅での告別式に参列しました。栄木さんに相応しく無宗教スタイルのお別れで、奥様をはじめ、お嬢様、お友達からの弔辞があり、その後皆で献花するという暖かく愛に満ちたものでした。

 

栄木正敏さんは陶磁器デザイナーとして多くの作品を創り出し、国内外で著名な存在でした。1997年のファエンツァ国際陶芸展記念「世界のデザイナー10人展」や2011年の国立近代美術館での個展は、栄木さんの仕事の大きさを物語るものと言えます。また、長く愛知県立芸術大学陶磁器専攻の教授を勤められ、退職されてからは陶磁器作りのかたわら、お庭でお好きな植物を育てたり、日課の散歩、毎週1回のテニス、画家の奥様と二人展をされるなど、お幸せを絵にかいたような暮らしぶりでした。

 

陶磁器デザイナーとしての高い見識を持ち、生涯ぶれることのない姿勢を貫いた尊敬に値する方でしたが、その反面、子供のように素直且つ純粋で、ひょうひょうとして誰とでも分け隔てなくお話をされ、皆に愛される方でした。いつもデザインのお話が大好きで、会議の途中で突然デザイン談義を始められ、なかなか議事が進まず周囲が戸惑うこともありましたが、反対に欠席されている日は寂しい思いがしたものです。こんなムードメーカーの代表でしたから、私たちの会は、皆が肩の力を抜いて居心地の良い集まりになって行ったのだと思います。

 

今は、あまりにも突然なお別れに支えを失い、心細い思いでいっぱいですが、栄木さんのクラフトデザインに対する意思と情熱を受け継ぎ、活動を続けてゆくことが私たちの責務だと心しています。

 

 

 

2019.03.04