ガラス作家の中井さんの工房兼お店である「ナカイガラス制作所」に行ってきました。名称がよくある製作所ではなくて制作所というのは、ガラス作家として作品を制作する場所だという意味。少しひねってあるところが良いです。場所は瀬戸市の中心にある銀座通り商店街の中。
中井さんは、板ガラスを平面上で組み合わせたものを電気炉で焼いて溶かし合わせるフュージングという技法を主に使っています。中井さんの説明によると、重ね合わせた様々な色の板ガラス焼くときれいに一体になり、また粒々状のガラスを焼くと細かな気泡が封じ込められたガラスになるそうで、なかなか面白そうです。焼く時に棚板に接している方の面はスリガラスのようにマットになるのでそれを表に使ったり、平らなガラスを型の上に乗せて焼けば立体的な形もできる等々、色々と制作のイロハを教えてもらいました。
この店では、このフュージングの制作体験をやっています。瀬戸で焼き物を見に来たついでに手軽にガラスのプレートやペンダント作りを楽しむことができるというわけです。
中井さんはガラスを始めて10年になり、瀬戸に来たのは5年前。この商店街に空きを見つけてここに工房をかまえました。焼き物の街瀬戸は観光で訪れる人が多い割にはこうした空きになった店を安く借りれるので、クラフト作家にとっては暮らし易い環境だと言えます。この辺りは陶芸家はもちろんのことガラス作家も多いところです。ちなみに、中井さんの店の筋向いは3DCGを制作するお店で、昔ながらの商店街も時代と共に様変わりしてきているのを感じます。
中井さんの作品には、色と構成の妙に魅力を感じます。今年の日本クラフト展で入選されました。今はより立体的なものにも取り組んでいるとのことで、これからの作品が楽しみです。
******** ナカイガラス制作所 *********
瀬戸市朝日町27 名鉄瀬戸線「尾張瀬戸」駅より東に徒歩7分
営業時間:金・土・日・月 10:00~18:00
2016.01.27