クラフトデザイナー中部


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酒井さんがここ3年の間沖縄に足しげく通った上での今回の個展を観に行きました。

一番初めに置いてあるのがシーサー。沖縄で焼き物といえば先ずこれです。シーサーは獅子(しし)が変化した言葉との説明を聞いて、沖縄の前は琉球国だったけれど、言葉の元はやはり日本語だ。酒井さん曰く「琉球国はアマミキヨという神様が作った国とされていて・・・」とか、「日本の沖縄になる前は清国に従っていた・・・」など、長期間滞在してきただけあって沖縄についてさすがに詳しい。一方では客引きの女性がいる路地裏の風景から焼き物作りの現状など、今の沖縄のお話も色々聞かせて頂いた。こうして沖縄で得た様々な知識や体験が元になって今回の作品が生まれてきたのだと思う。

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陶磁器作家として大事で大変な仕事のひとつは、自分が情熱を傾けるにふさわしいテーマを探し出して、掘り下げていく作業だろうと思うけれど、酒井さんはそれを実に精力的にやっていると感じます。そしてそれが彼独特のウイットで魅力ある作品に結実しています。

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展示会場の壁面には、「ジキメン」シリーズの作品も多く展示してありました。磁器の面だから「ジキメン」。酒井さんによると、これは作ってみたいという気持ちが先ずあって始めた仕事で、これが売れるかどうかは全く度外視だったとのこと。確かに、おそらく現代の陶芸家が今だかって手を染めたことの無いテーマではないだろうか。人がやっていない領域だからこそいま直ぐやらねばという気持ちになったと語られていた。チャレンジ精神があるなあと思う。

この個展は、「ノリタケの森ギャラリー」で3月2日までです。

(本多)

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2014.02.28