“春じたく”展 開催中 です。
桃の節句の季節、日々の暮らしの食空間と装いを提案。
クラフトデザイナーによる家具、テーブルウエア、花器、テーブルクロス、アクセサリー、バッグ、ショールなどなど、早春の-お・も・て・な・し-の作品の数々を是非ご覧下さい。
3月3日(月)まで
11:00~19:00(最終日は16:00まで)
<会場>
国際デザインセンター デザインギャラリー
ナディアパーク デザインセンタービル4F
〒460-0008 名古屋市中区栄3-18-1
お問合せ 052-265-2106(代)
<主催>
クラフトデザイナー中部
<出展者>
あさくらやよい・井崎正治・石垣昭子・大塚くるみ・小椋正明・加賀友博・
加賀千珠子・亀井龍二・木下結衣・切中優希子・小林友紀・小牧佳寿代・
酒井崇全・栄木正敏・白尾由美・鈴木裕子・Studio record・竹村秀行・
千葉研二・友岡秀秋・中村幸人・中山次郎・長井千春・長江重和・成田幸子・
野田里美・林孝子・林工芸・舟橋辰朗・本多潔・松井智子・松尾摂子・
水島佳余子・森和彦・森尚子・安井惠子・安井桂子・安間恵子・山本とし子・
山中俊輔・李末竜
2014.03.02
酒井さんがここ3年の間沖縄に足しげく通った上での今回の個展を観に行きました。
一番初めに置いてあるのがシーサー。沖縄で焼き物といえば先ずこれです。シーサーは獅子(しし)が変化した言葉との説明を聞いて、沖縄の前は琉球国だったけれど、言葉の元はやはり日本語だ。酒井さん曰く「琉球国はアマミキヨという神様が作った国とされていて・・・」とか、「日本の沖縄になる前は清国に従っていた・・・」など、長期間滞在してきただけあって沖縄についてさすがに詳しい。一方では客引きの女性がいる路地裏の風景から焼き物作りの現状など、今の沖縄のお話も色々聞かせて頂いた。こうして沖縄で得た様々な知識や体験が元になって今回の作品が生まれてきたのだと思う。
陶磁器作家として大事で大変な仕事のひとつは、自分が情熱を傾けるにふさわしいテーマを探し出して、掘り下げていく作業だろうと思うけれど、酒井さんはそれを実に精力的にやっていると感じます。そしてそれが彼独特のウイットで魅力ある作品に結実しています。
展示会場の壁面には、「ジキメン」シリーズの作品も多く展示してありました。磁器の面だから「ジキメン」。酒井さんによると、これは作ってみたいという気持ちが先ずあって始めた仕事で、これが売れるかどうかは全く度外視だったとのこと。確かに、おそらく現代の陶芸家が今だかって手を染めたことの無いテーマではないだろうか。人がやっていない領域だからこそいま直ぐやらねばという気持ちになったと語られていた。チャレンジ精神があるなあと思う。
この個展は、「ノリタケの森ギャラリー」で3月2日までです。
(本多)
2014.02.28
今日は、ナディアパークのデザインギャラリーでの搬入です。総勢41名ものクラフト作家の方々の作品が一堂にそろったので、展示準備はかなり混乱気味。予定より机の数を追加してなんとか展示スペースを確保しました。さらに、いくつものテーマ別のテーブルコーディネイトをまとめるのがまた一苦労。吟味に吟味を重ねてようやく納得の行くアレンジが完成しました。
今回は”春じたく”をテーマとしたので、作家の皆さんからはこの時季にぴったりの、フレッシュな春の息吹を感じるデザインの数々がそろいました。明日からの開幕が楽しみになります。
2014.02.25
「雅羅素(ガラス)と遊ぶ」と題された林孝子さんの個展に行ってきました。会場に入って直ぐのところに女性の人型の姿見があって、姿を見るからこの形というのがすごく分かり易くて楽しい。壁掛け時計も明るく陽気なデザインでいかにも林さんらしいなと感じます。個人的に一番気に入ったのはシイタケ、玉ねぎ、トウモロコシが並んだ鏡。軽妙なしゃれっ気があって思わずにっこりしてしまいました。
会場でお茶を頂いていると、林さんはiPadを取り出し、最近制作された住宅のはめ込みガラスやガラスドアなどの作品を色々見せて下さった。こうした住宅用のガラスの仕事をこれからもっと手がけて行きたいとおっしゃってました。
ガラスを自在に扱って多様な作品を次々と生み出す林さん、この道25年のベテランだけれど創作意欲は今も満々だと感じました。この個展は名古屋市のノリタケの森ギャラリーで2月16日(日)までです。
2014.02.13
「第53回日本クラフト展」が 次のとおり開催されます。
・会員の 加賀千珠子さん(木工) が奨励賞を受賞しました。
2014.01.05
IAMASイノベーション工房(f.Labo)とクラフトデザイナー中部共同企画 のデジタル
ファブリケーション体験ワークショップが12月23日(土)に開催されま
した。
暮れのおしせまった中でしたので、参加者は、7名(あさくら・成田・花井・舟橋・
水野・山中・山本)でした。
JR大垣駅に10時に集合、舟橋さんの車とタクシーに分乗し目的地のIAMASに
向かいました。
IAMASは、市街地から少し外れた所に忽然と現れる、著名な建築家たちが
設計した近代的なビル群の中の一つ、妹島さん設計のビルの1Fにありました。
参加者7名は、早速、①3Dプリンター②レーザーカッター(アクリル)
③レーザーカッター(MDF)の3班に別れ、体験に入りました。少人数でした
ので、他の班も少し体験させてもらいながら、昼食休憩のみで、5時までしっかり
有意義な経験をしました。
舟橋さんは中部デザイン協会の東日本震災復興支援事業としてデザイン提供される一本松の絵の封筒、便箋セットの製作をしました。
あまりハイテクな機械とは縁もなく、パソコン操作もままならないメンバーを、講師
の小牧さん、山下さんは、手取り足取り、根気よく指導してくださり、思って
いた以上の完成度の高い作品?が出来上がり、皆、大満足でした。
でも、反面、普段の物づくりとのギャップに多少の不安を覚えたのも正直な
ところです。
とにかく、みなさまも一度お試しあれ、お勧めです。
あさくらやよい
2013.12.29
名古屋松坂屋の近くの橋本美術に会員の長江重和さんの個展を観に行きました。今回は、あかり をテーマとした作品がメインで、壁掛けタイプのものと薄層と名づけられた卓上タイプがあります。壁掛けは、磁器に開けられたスリットや穴のパターンに面白さがあり、スリットは焼いた上で最終的な形となることを狙っているところが長江さんらしいと感じました。薄層は、容器から絞り出した泥漿を薄く重ねて網目状にしたものですが、この日のギャラリートークの中で長江さんが実際の石膏型と容器で分かり易く説明してくださり、大変参考になりました。
ギャラリートークでは、作品の説明の他にご自身の仕事への関わりについて話して下さいました。初めは、家業の安価なものを作る鋳込みの仕事に反発し、それとは正反対の轆轤やタタラで作る一般的な陶芸から出発したものの、ある作品がキッカケで鋳込みの可能性に気づいてからは家業が宝の山だと思うようになったこと。それからは、様々な機会を通じて鋳込みが世に認知されるような活動をされていることなどを語られました。
長江さんがネットで公開されている鋳込みの技法は実践的で詳しくて、鋳込みに関心を持つ人に大変参考になります。ご自身が持っているものを広く公開することで陶磁器の世界そのものを盛り上げようとされる姿勢に共感します。
長江さんの作品にはオブジェ的なものと器的なものがあるので、それらに対しての考え方や制作のアプローチに違いがあるのかどうかをお聞きしたところ、器で発見したことがオブジェに繋がることやその反対もありそうした意味で違いは無いが、作る時の意識は切り替わっているとのこと。ちなみにオブジェと呼ぶと、既にある言葉に縛られるので、ただ作品と呼びたいとのことだった。作品や釉薬の名前などについても既成の言葉でなくご自身の言葉で表現されるところにも長江さんの創造的な意識を感じました。
(本多)
2013.11.10
以前当会の代表を務められ(1995~2001)、本年3月9日に亡くなられた陶磁器デザイナー田尻誠さんを偲び、ここに当会の代表 栄木正敏及び会員 長江重和から追悼の言葉を送ります。
「田尻 誠さん さようなら」 栄木正敏
田尻さんは、私の4つほど武蔵美の後輩にあたる。彼が同大学の助手をしていた時からのライバルであり、同じクラフトデザインの永いつきあいであった。
静岡の工業高校デザイン科を卒業し、銀座のデザイン事務所で仕事をしていたころ、クラフト陶磁器に目覚め、止むにやまれず、武蔵野美術大学を受験、大学ではフィンランドのアラビヤ社に留学した加藤達美先生に師事する。学生時代には知山陶苑、白山の製品に憧れたという。後に師の達美先生はとても高く彼の仕事を評価していたことを思い出す。
彼は単に美術品として観賞のみに終わらない、とても精緻、巧みなろくろ技による生活の中に生きるクラフトデザインを思考して、大きな成果を上げてきた。そして1990年の日本クラフト展グランプリの日本クラフト賞 柿釉による「くつろぎの器」に結実した。選考評「・・・・・・多様な現代の生活シーンも、やはり普段の時が圧倒的に多いのです。そんな中で、充分に使い切れるモノ、創造性も含めて日常の高い要求をみたす事の大切さを、今一度確認させてくれる作品」と書かれている。
彼が亡くなる数年前に非常勤講師であった愛知県立芸術大学の芸術資料館に上記の茶器セットや耐火鍋、鉢、皿類を永久コレクションに出来たことが私としては良かったなと思っている。
陶磁制作に加え、陶芸専門誌の連載著作、紋様表現、絵の巧さなど多面的な才能の持ち主である田尻誠さんは2013年3月9日ご逝去された。短くも充実したものつくり人生であったと思う。
田尻誠さんのご冥福を心よりお祈りいたします。
「田尻さんのこと」 長江重和
田尻さんの事、知人から聞いてびっくりしていました。私の仕事場を作り直す時に田尻さんの仕事場を移動するのが重なり、道具やロクロなどたくさん頂いたり、購入したりしました。あとで聞いたのですが、現金を手にするとついついお酒を買ってのんでしまうようで、申し訳なかったなと思いました。
自分自身の作品づくりをあそこまでやった人が李さんの仕事のお手伝いをされる事はたいへんだと思いましたが、とても立派だなとつくづく思いました。田尻さんの道具を使い、作品づくりを進めたいと思っています。
2013.09.04
次の3名の方々が新たに入会されました。
大塚くるみさん(陶磁器)、岡井大介さん(木工)、木下結衣さん(ガラス)
2013.08.30
今年の見学会は8月22日、定時総会終了後に菰野市のアクアイグニスとパラミタミュージアムを見学しました。
実際に行った順番とは逆に、最後に訪れたアクアイグニスから先に紹介します。アクアイグニスとはラテン語で水と火。中心に片岡温泉がありその周辺にスイーツショップ、イタリアンレストランや宿泊施設などがある中規模なレジャー施設です。ここが大変洒落ているのです!建物は若手の建築家赤坂知也氏のデザインで、その他様々なアーチストがによって施設全体が企画、デザインされています。片岡温泉はまるでモダンなミュージアムの様に明るくクリーンで、和モダンの雰囲気が漂っています。湯は、ほんのり硫黄のかおりがする掛け流しです。これで600円とは安い!うちの近所のスーパー銭湯の450円よりはるかに価値がある。施設には平日ながら多くの人が訪れていました。こうしたリゾート施設のプロデュースは近頃ますます進化してきている気がします。
パラミタミュージアムでは、先ず会員の加賀ご夫妻が小ギャラリーで開催中の個展を見学。自由で明るい雰囲気を持った家具の数々で、個人的には胡桃のテーブルの自然な風合に惹かれました。
続いて企画展の「第8回パラミタ陶芸大賞展」と「琳派・若冲と雅の世界展」を鑑賞。陶芸大賞展は時代を代表する陶芸家6人によるもので、アートから工芸まで各々作風が全く異なり、今の陶芸の世界の幅広さを感じました。琳派・若冲展は、若冲を初めとして酒井抱一、鈴木其一、俵屋宗達など有名どころの作品があり、かなり見ごたえがありました。私は神坂雪佳をここで初めて知り、江戸の後、明治、大正に日本画が変わっていく様子が彼の作品から感じられました。
ということで、最新の温泉、琳派の日本画、現代陶芸、木工展と幅広く楽しんだ一日でした。
(本多)
2013.08.27