ー 総会 ー
今年度の総会は17名が出席し、籐細工の安井桂子さんのご自宅で行われました。今期の事業の目玉はCDC設立20周年記念事業で、来年4月に記念展覧会、パーティ、記念誌の3つを予定しています。
ー 安井さんの工房探訪 ー
安井さんは籐細工のベテランで一般的な籠に留まらずオブジェ、花器、ランプなど幅広く
制作されています。
材料の籐はラタンとも呼ばれますが、ほとんどが東南アジア産で中でもインドネシアのものが優れているそうで、籠を編む材料として編み易い形に加工したものが輸入されているとのこと。しかし、近年はインドネシア政府が材料としての輸出を制限し、編み上がった完成品の輸出を優先しているので以前より入手し難くなっているらしい。日本で籐製品が最も広まったのは乳母車だったそうで、そう言えば昔は籐の乳母車を良く見かけたなあと思う。今でも、田舎のお婆さんが野菜などを運ぶのに使っているのをまだ見かけます。
籐の編み方には様々な種類があり、素人目には大差ないように見えても編む手間や技術的難易度にはものすごく違いがあるそうです。確かに、様々な作品をしばらく拝見してると単純な編み方と変化や特徴のある編み方の違いが次第に判るようになってきました。
また、中には胡桃の木の皮で作ったバッグ(下の写真の左端)もあり、籐とは違う野趣
のある素材感があります。
籐は自然素材ですが耐久性に優れているそうで、欧米では籐の椅子は屋外で使われることも多く、そのため表面を塗装するのが一般的らしい。一方、日本では自然な素材感が好まれているとのこと。
ご自宅の居間には籐製のランプが置いてあり、個人的にはこれに一番惹かれました。幾何学的にではなくランダムに編んでこうした自由な表現も出来るということに驚かされます。ちなみにこのランプは横にあるコントローラーで明るさを調節できます。(本多)
2015.08.07